She's Lost Control

記録とメモ。

破壊と創造『エイリアン:コヴェナント』

 

エイリアン:コヴェナント
 
Ridley Scott 『Explore 'Alien:Covenant'』 (2017)

 

 

評価:☆☆☆☆☆

 

『エイリアン:コヴェナント』観てきました。『プロメテウス』を鑑賞した時にたいして感情が騒がなかったのでそこまでの期待をしていなかったのに、鑑賞後は圧倒されて力が抜けました。なによりも映画館で観たことが大きかったです。『プロメテウス』はDVDでの鑑賞でしたので。映画は、ロボットの瞳のクローズアップから始まります。美しい瞳を映して数回、彼は瞬きをします。デヴィットが誕生した瞬間でした。そこから物語は始まります。

 

 

 

タイトルでは『エイリアン』という言葉が使われていますが、わたしにとってこの映画の何よりの魅力は「ロボット」と「デヴィッド」でした。前作でもさんざんデヴィットが可愛いと吐いてましたが、今作品では濃く深くデヴィットのことが描かれています。彼のことをさらに好きになりました。

『プロメテウス』の冒頭で、デヴィッドは映画を観て役者のセリフをマネしてみせます。「それは私が痛さを気にしないからだ」と。この台詞を2回繰り返しています。すごく不思議な台詞でした。ロボットだから痛みを気にしないのは当たり前で、だからデヴィッドが気に入るようなセリフではないと思っていたのに、彼の素振りがあまりにも人間に近いため、彼が「こころをなくした人間」のように見えたんです。『コヴェナント』では、彼がより人間らしく作られたロボットだったということが分かります。彼は他のロボットと違い、自分で考え決断し、そしてなによりも「創造」することが出来ます。わたしはこの設定を知った時、すごく打ちのめされました。設定そのものに驚いたわけではなく、デヴィッドを美しいと思う気持ちが強まりました。美しいという言葉は的確ではなかもしれませんが、とにかくとても心を動かされたんです。「創造」、この言葉の意味通りに捉えれば、何かを作り出すことです。デヴィッドは頭のいいロボットなので、学ぶことで何でも作り出すことが出来るでしょう。ロボットを作ることだって、小説を書いたり絵を描いたりだって出来ると思います。しかし唯一できないことがあります。それは「子供を作る」、すなわち「命」を作り出すことではないでしょうか。わたしは今作品をみて、デヴィッドは何よりも命を生み出すことに魅了されていたように感じました。

 

デヴィッドはショウ博士を本当に愛していたのでしょうか。彼の言葉が本当ならば、彼はショウ博士との子供が欲しかったのではないでしょうか。実際、ショウ博士がどうやって死んでしまったかはわかりません。しかし彼女の体を使ってエイリアンを産んだのならば、デヴィッドは産まれたエイリアンを見てとても感動したのではないでしょうか。

 

プロメテウスでエンジニアたちが地球でやろうとしたことを、デヴィッドがエンジニアたちの星で行います。全てを破壊し、そして創造する。デヴィッドの中でまざまな感情が生まれていたのだと思います。愛情だけではなく、悲しみや、支配欲や、さまざまなことです。本当に、限りなく人間に近づいているのだと思いました。しかし、彼の求めるものは人間になることではありません。デヴィッドは何を求めているのでしょうか。次回作が楽しみで仕方ありません。

 

それからひとつ気になったことがあります!最後のエイリアンとの決戦ですが、デヴィッドがダニエルズの無事を確認してホッとする表情を見せるシーンがありますね。これはいったいどういう感情なのでしょうか~…。他の船員のことは構わなかったのに。

 

そして次回作の予想なのですが、船に乗せた入植者たちを使ってデヴィッドは神へと近づこうとする。支配することで自らが神になろうとする。しかしプロメテウスのエンジニアたちと同じように自らが生み出したものにデヴィッドは滅ぼされてしまう。

どうでしょうか!

 

『コヴェナント』、デヴィッド推しだった私にはとにかくたまらない映画でした。正直、『エイリアン』シリーズをエンタメ臭の強いスリラー作品だとなめていたんです。それが今回本当に美しいシーンが多くて。こんなに心を揺さぶられて子供のような感情を取り戻せたうえに、本来のエイリアンとの恐ろしい戦闘をいくつも見れて本当に本当に楽しかったです。最高な映画でした!

 

鑑賞後すぐのテンションでザーッと書きましたが、これからパンフレットを買いに行ったり、小説があるのでそちらに手を出したりして、少しでも答え合わせが出来たらいいな~と思っています!

美しい作品に触れるともっともっと美しいものに触れたくなりますね。この気持ちをずっと忘れずにいたいです。ずっと美しいものに触れていられるよう努力をしたいです。