She's Lost Control

記録とメモ。

『哭声/コクソン』レビュー/パワフルなオカルト映画

人々は恐れおののき霊を見ていると思った 。 そこでイエスは言った。 ”なぜ心に疑いを持つのか。私の手や足を見よ。まさに私だ。触れてみよ。このとおり肉も骨もある” ―ルカによる福音書 24章 37-39節 こくそんとはいったいなんだったのかーー!! すごく面…

『ネオン・デーモン』レビュー/星たちは輝きながら落ちていく

点滅するネオンに浮かび上がる少女は虚ろに自身の顔を見つめ、ただ一点のみ、噛みしめるように自覚する。「自分が誰よりも魅力的である」ということ。 子供の頃、よく夜中に屋根に上ったな。月が丸く大きな目に思えた。月を見上げて言うの。”私が見える?”っ…

『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』レビュー/奇妙って可愛い

オリーヴは真っ黒な手袋をつけている。フィオナが手を伸ばせば植物はぐんぐん伸びる。ブロンウィンは力持ち。マスクを被った双子はクマのぬいぐるみを奪い合う。クレアのお口は隠れてる。ミラードの身体は見えない。ヒューの身体は蜜蜂の住処。ホレースは紳…

『ジェーン・ドウの解剖』レビュー/謎に包まれた死体

心を明るく照らしましょう ママが教えてくれた 女の子が知っておくべきこと 恐ろしい悪魔とは――― 運び込まれた彼女の瞳は灰色だ。手首と足首の骨は砕け、舌は切り取られている。肺は黒く濁り、心臓にはいくつもの傷がある。しかし外傷はなく、光に照らされた…

『ボーグマン』レビュー/弄ぶように侵略

そして彼らは自らの集団を強化するため地球へ襲来した 狩人や聖職者たちが森の地面をヤリやオノで突けば、巣穴を荒らされた鼠のように男は地面から這い出る。狩人と聖職者は犬引連れ銃を持ち、まるで害獣でも駆除するみたいだ。土の中で眠っていた男たちは、…

『ハイ・ライズ』レビュー/ちょっと覗いてそっと閉じる

「あなたはタワーで最高の備品」 はいらいずとはいったいなんだったのか…。 『ハイ・ライズ』を見て、現代アートを体験しているような気になった。なんだかよく分かんないけど、凄い。なにか伝えたいことがあるんだろうけど、分かんない。おれをおいていかな…

『美しき獣』レビュー/吸血鬼による道徳の時間

「文明というのは道徳規範により成立しているのだとね。それを破った者は罰せられるんだ。人間は今でも破る。しかし大抵の場合このような規範は彼らに人間性の尊さを植えつけた。人間にとって思いやりを育むことは、卑しい衝動と同様本質的なものなのさ」 吸…

『ロスト・ハイウェイ』レビュー/妻殺しの記憶

「ゆうべ夢を見たんだ。 君は家の中にいた。 でもそれは、君に似てたけど別の女だった。」 ろすとはいうぇいとはいったいなんだったのか…。 悪夢から目覚めるようにエンドを迎える今作『ロスト・ハイウェイ』は一度観ただけで全てを理解できるのなら、わたし…

『キャロル』レビュー/一瞬の出会いが永遠になる

「誰にでも起きることだとは思わない?」 1950年代といえば、同性愛者のとって一進一退の時代ではないだろうか。同性愛を法で取り締まる時代から革新が起こるものの、完全に「同性愛者=異端者」のイメージを拭うことは出来ない。1950年代のニューヨークが舞…

『フッテージ』レビュー/失踪する子、惨殺される家族

"WHERE ARE YOU?"(君はどこへ消えた?) "Box of Films How did it get there?"(なぜ屋根裏にフッテージが?) 冒頭、ジリジリと焼けるようなノイズのするなか回り続けるフィルムが映し出しているのは、大きな木に首を吊った4人の人間だ。頭に麻袋を被り…