『ボーグマン』レビュー/弄ぶように侵略

そして彼らは自らの集団を強化するため地球へ襲来した 狩人や聖職者たちが森の地面をヤリやオノで突けば、巣穴を荒らされた鼠のように男は地面から這い出る。狩人と聖職者は犬引連れ銃を持ち、まるで害獣でも駆除するみたいだ。土の中で眠っていた男たちは、…

『ハイ・ライズ』レビュー/ちょっと覗いてそっと閉じる

「あなたはタワーで最高の備品」 はいらいずとはいったいなんだったのか…。 『ハイ・ライズ』を見て、現代アートを体験しているような気になった。なんだかよく分かんないけど、凄い。なにか伝えたいことがあるんだろうけど、分かんない。おれをおいていかな…

『美しき獣』レビュー/吸血鬼による道徳の時間

「文明というのは道徳規範により成立しているのだとね。それを破った者は罰せられるんだ。人間は今でも破る。しかし大抵の場合このような規範は彼らに人間性の尊さを植えつけた。人間にとって思いやりを育むことは、卑しい衝動と同様本質的なものなのさ」 吸…

『ロスト・ハイウェイ』レビュー/妻殺しの記憶

「ゆうべ夢を見たんだ。 君は家の中にいた。 でもそれは、君に似てたけど別の女だった。」 ろすとはいうぇいとはいったいなんだったのか…。 悪夢から目覚めるようにエンドを迎える今作『ロスト・ハイウェイ』は一度観ただけで全てを理解できるのなら、わたし…

『キャロル』レビュー/一瞬の出会いが永遠になる

「誰にでも起きることだとは思わない?」 1950年代といえば、同性愛者のとって一進一退の時代ではないだろうか。同性愛を法で取り締まる時代から革新が起こるものの、完全に「同性愛者=異端者」のイメージを拭うことは出来ない。1950年代のニューヨークが舞…

『フッテージ』レビュー/失踪する子、惨殺される家族

"WHERE ARE YOU?"(君はどこへ消えた?) "Box of Films How did it get there?"(なぜ屋根裏にフッテージが?) 冒頭、ジリジリと焼けるようなノイズのするなか回り続けるフィルムが映し出しているのは、大きな木に首を吊った4人の人間だ。頭に麻袋を被り…

『ぼくらと、ぼくらの闇』レビュー/親友と親友と親友の死体

「本当に?」 「ああ。とりあえず隠そう」 これは、親友だったはずのザックとジョッシュがある事故をきっかけに、もう親友ではいっれなくなってしまうお話だ。 邦題は『ぼくらと、ぼくらの闇』だが、どちらかと言えば原題の『Super Dark Times』の方がチープ…

『マジカル・ガール』レビュー/魔法少女は甘くない

「願い事ノート」 願いごと1 誰にでも変身できる 願いごと2 メイコ・サオリが歌手のメグミ用にデザインした「魔法少女ゆきこ」のドレス 願いごと3 13歳になる 出典:Magical Girl (2014) 幼い頃、あなたは何に夢中だっただろうか。誰しも夢をみるものがあ…

『フォックスキャッチャー』レビュー/世界一を目指す選手とコーチの結末

「コーチとして諸君に望む レスリング界を制し人生の勝者になれ そしてまた、よき国民となれ アメリカのために」 これは事実に基ずくフィクションだ。オリンピックでメダルを取得しレスリング界で名の知れたシュルツ兄弟。弟のマーク・シュルツは兄のデイヴ…

『ビザンチウム』 レビュー/我が子を愛す吸血鬼

生まれた子は窒息させるはずだった だが彼女は赤子を見つめ 心臓の鼓動を聴き 赤子の血の匂いをかぎ 愛に打ち負かされた // 出典:Bizanchiumu (2012) 母親の子に対する深い愛は何百年もの昔から作品の題材にされてきた1つだと思う。 『ビザンチウム』はヴ…